2018年のデジタル家電メーカーランキング発表
BCNアワード2019が発表
毎年、BCNが発表しているBCNアワード2019が1月15日に発表されました。
これは2018年のテレビ、パソコン、スマートフォンなどのデジタル家電のメーカーシェアをランキングで発表するものです。
調査には大手ではヤマダ電機とヨドバシカメラが参加していませんが、それ以外の主要な家電量販店やアマゾンなどが参加しています。
国内販売の5割程度をカバーしていると思われるPOSデータから直接集計しているので、かなり正確なランキングです。
BCNとはこんな会社
ちなみにBCNは、現在はこの社名になっていますが、元々はビジネスコンピュータニュースという名前の会社で、パソコン関連のニュースからスタートし、今はメディアというよりは、調査会社です。
POSデータから、週間や月間のランキングを抽出し、メーカーや販売店などに分析情報をフィードバックするのが、メインの事業です。
またPOSデータを持った上でメディアとしての取材を行っていますので、家電業界でのニュースの正確さの点では、他にないと思います。
ちなみに似たような調査会社にGFKという会社があります。
こちらの方がPOSデータのカバー率は高く、およそ市場の8割をカバーしているようですが、一般には公開してないので、契約企業以外は実績を確認することはできません。
品目別ランキングを紹介
さて詳細は、発表ページを見ていただくとして、その中での注目点をかいつまんで紹介します。
スマートフォン
一位はアップルです。
ほとんどの人にとって予想どおりだと思いますが、注目ポイントはそこではありません。
そのシェアが64%だったということです。
二位のシャープ、三位のソニーがそれぞれ11%弱だったところを見れば、その圧倒ぶりが分かります。
2012年のシェアが27%でトップでしたが、年々、シェアを伸ばして3分の2にせまるところまできました。
しかし今年から来年にかけて状況に変化があるかもしれません。
これについては、近いうちに別途、書きたいと思います。
テレビ
テレビは、4K未満、4K以上、有機ELと3部門に分かれており、有機ELはソニー、そのほか2部門はシャープがトップを取りました。
ソニーの有機ELは、アコースティックサーフェイスという画面から音が出ることが最大の特徴です。
高額商品にも関わらず大画面テレビの音が悪いという欠点を、デザインを損なうことなく、独自の技術で見事に克服しました。
シャープは4K以上、4K未満の2部門を取りましたが、他のメーカーが高価格帯か低価格帯のどちらかに偏る中で、価格帯、インチサイズまでフルラインで揃えているというのが最大の強みです。
レコーダー
BD/DVDレコーダーのトップはパナソニックでした。
2012年以降、8年連続の受賞で41%という高いシェアでした。
これはパナソニックが強いというよりは、他社のラインナップが貧弱なことが大きいと思います。
縮小が続くレコーダー市場にはあまり開発意欲が湧かないようです。
デジタルカメラ
コンパクトはニコン、一眼レフとミラーレスはキヤノンがトップでした。
ミラーレスでトップをキヤノンが取ったということが最大のトピックです。
デジカメは、主戦場がコンパクトから一眼レフ、一眼レフからミラーレスへと変わってきました。
一眼レフの王者のキヤノンがトップを取ったことで、今後はカメラ市場での最後の生き残りをかけて、キヤノン、ニコン、ソニーが争っていくことになるのではないかと思われます。
パソコン
デスクトップでは一位 富士通、二位 NEC、
三位 レノボでした。
ノートでは一位 NEC、二位 富士通、三位 ダイナブックでした。
さてこのランキングを見て、何を思いますか?
変わり映えしない国内メーカーだらけだと思うかもしれません。
しかし実際にはこの中に国内メーカーは一つもありません。
しかも富士通、NECはレノボの子会社です。
つまりパソコン市場の半分は中国メーカーのレノボが獲っているということです。
東芝の売却により、実質的にパソコン市場から国内メーカーは締め出されてしまいました。
このほか合計で117部門のランキングが発表されています。
もともとパソコン系メディアですので、コンピュータ関連が多いですが、興味があれば見てみてください。