家電の新しいものにもリスク
お粗末だったセブンペイ
今、セブンペイの不正利用事件が世間で話題になっています。
家電量販店の業界としては、PayPayやd払い、LINE PAYなどのQRコード決済が家電購入に追い風になっていただけに、冷や水を浴びせるこの事件の影響が心配なところです。
さてセブンペイの事件の報道の際に、昨年のPayPayの不正利用事件が取り沙汰されることがありますが、今回のセブンペイの事件とは性質が大きくことなります。
PayPayの場合は、すでに海外の航空会社経由で流出していたクレジットカードの利用先として使われただけで、PayPay自体のセキュリティが破られたわけではありません。
一方で今回のセブンペイについては、簡単にアカウントを乗っ取ることができるような杜撰な仕様だったことが明らかになっています。
たまたまQRコード決済だっただけで、QRコード決済業界でのセキュリティの問題とはレベルが異なる低次元の問題だったことが分かっており、他の決済事業者からすれば怒りがおさまらないのではないでしょうか。
ただ個人的には改めて新しいものにすぐ手を出すことにはリスクがあることを感じます。
新しいもののリスク
さて家電製品においても、新しいものにはリスクがあることはご存知でしょうか?
新しいものというのは、新機能やこれまでなかったような製品、新規参入メーカーなどのことです。
例えば、出始めのころのLED電球などは、酷いものでした。
当初は寿命を10年などとうたっておきながら、半年も経たずに切れる商品が続出していましたし、あまり表沙汰になっていませんが、火災の原因となりかねないようなリコールレベルの仕様の商品が大手メーカーから多数、発売されていました。
またリコールレベルのものは滅多にありませんが、メーカーのニュースリリースに出るような新機能については、かなりの確率で、不具合とは言わないまでも、使用に差し障りのあるような問題や耐久性の問題などが発生しています。
それが翌年のモデルチェンジの際には、何事もなかったかのように、仕様が変更になり、こっそりと改善がされています。
また問題が発生していなかった場合も、多くの場合は、ユーザーの意見などから改良が加えられているのです。
メーカー保証期間とは
多くの商品ではメーカー保証期間が1年に設定されています。
これは、第1には、商品の初期不良の対応のためです。
もちろん引き渡してすぐに判明する初期不良は、交換になることがほとんどですが、すぐには分からない初期不良もあります。
こうしたものに対応をするために設定しているものです。
またもう一方では、メーカーは、どの部品に問題が発生しやすいのかを調査するため、修理してユーザーから部品を回収することが大きな目的となっています。
新規参入メーカーには注意
さてとくに気をつけないといけないのは、その商品をこれまで作っておらず、新規に参入したようなメーカーです。
前述したような、これまでの修理の蓄積がないため、新規に参入したメーカーは、どの部品が壊れやすく、また他のメーカーがどのような理由でその構造にしているのかが分かっていないことがよくあります。
そのため、製品を出荷した後で、耐久性や仕様に不具合が見つかることが大半です。
ただこれには製品として出荷してみないと分からない部分が多々あるため、メーカーが悪いとも言い切れないところです。
メーカーはある意味、トラブル承知で発売していますし、消費者は新規参入メーカーの初代、2代目あたりはトラブル前提で購入する覚悟が必要です。
家電の購入はリスクを踏まえた上で検討しましょう。