現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

WiFiルーターの選び方

家電量販店の売上は急回復

コロナの影響で、3月後半以降、売上が厳しかった家電量販店も、緊急事態宣言の解除を受けて、売上が急回復し、前年を上回って推移するようになってきています。

こうした中でとくに売れているのは、パソコンとパソコンの周辺機器や、WiFiルーターなどの通信機器です。

意外とWiFiルーターにはいろいろな種類があり、店頭では店員が対応に追われる状況も発生していますので、ここで基本的な知識を説明したいと思います。

WiFiルーターの種類

無線ルーターの種類は主に下記のような点で決まります。

  • 対応する通信規格(最大速度)
  • 接続できる台数
  • メッシュやビームフォーミング対応

それぞれ少し説明していきたいと思います。

通信規格

よく製品にはaとかbとか書いてあります。 11aとか11bとか書いてある場合もあります。
いずれも意味としては規格名のIEEE802.11aとかの前の部分を省略した記載で、最後のアルファベットの違いしかないために、そのような表記になっています。

最近はアルファベットも多くなって分かりにくくなってきたために、WIFI5やWIFI6と言った数字への置き換えがされるようになってきました。

また当然ではありますが、接続するスマホやパソコン側がその規格に対応していなければ、その速度では接続できませんので注意しましょう。

11acもしくはacと記載のあるものを購入

11ac対応のルーターであれば、現在のパソコンやスマホのほとんどに対応できます。
逆にこれで対応出来なければ、接続する端末の方の買い替えを検討しましょう。
なお11acはWiFi 5と書いてあることがたまにありますが、同じものです。

販売されている大半のルーターが対応していますが、一つ前の11nまでしか対応していない機種も販売されていますので、注意しましょう。
なお似ていますが、11aとは異なります。

速度は理論値で約400Mbpsですが、実際には100Mbpsも出ればいい方だと思います。
一部のスマホでは、アンテナ2本を使用してさらに倍の速度を出すことが出来ます。
パッケージには理論値ベースで記載されているので注意しましょう。

11ax(WiFi 6)対応の恩恵があるのは一部

11acより新しい規格が11axです。
最近はWiFi 6と書いてあることが多くなっていますが、同じものです。

理論値は600Mbpsとなっていますが、実効速度を重視した規格と言われており、対応した機種ならacの倍以上の速度が期待できます。
接続する端末が、複数アンテナ対応機種なら、光回線並みの速度も期待できます。

ただし現状は、axで接続できるのはiPhone11など一部のハイエンドのスマホに限られています。

ax対応のルーターはまだ価格が高いため、すでに対応したスマホを持っているか、近いうちに買い替え予定があるかといったところが選ぶ際のポイントです。

接続台数

WiFiルーターは、機種ごとにアンテナの本数が異なっており、アンテナごとに接続できる台数や通信速度の最大が決まってきます。

接続台数が多いのであれば、アンテナ数が多くなければ、充分な速度が出なくなります。

またルーターというのは、通信を中継するための簡易的なパソコンですので、台数を多く接続すれば、通信が遅くなります。

パッケージなどには、推奨接続台数などが記載されていますので確認して購入しましょう。

メッシュやビームフォーミング対応

まずWiFiは電波ですので、壁を通せば減衰します。
減衰すれば、速度が遅くなったり、電波が届かなくなったりしますが、その対策がメッシュやビームフォーミングです。

したがって1ルームであれば、ほとんど意味がありません。
一戸建てや2LDK以上のマンションなら対応したものを選ぶ方がいいと思います。

ビームフォーミングとは、接続する端末がある方向に向けて電波を強くする機能です。
電波が弱くなること自体が避けられるわけではありませんが、ルーターが設置されていない部屋で2割〜3割程度速度の改善が期待できます。
(ただしそもそも壁を一つ隔てれば3分の2くらいには速度が落ちますのでそこからの効果です)

メッシュ対応ですが、これは子機とセットになって初めて効果が出るものです。
メッシュ対応となっている親機だけ購入しても何の意味もありませんので、必ず子機とのセットを購入しましょう。

メッシュ対応は、親機と子機が連携することで、電波が届く範囲内で満遍なく同じくらいの速度が出るように目指したものです。

数年前にGoogleが対応機種を発売し、最近は他のメーカーも同様の商品を発売しています。
親機が設置されている部屋以外ではビームフォーミング対応でもかなり速度が落ちるのと比べると、メッシュ対応では、子機の部屋でも速度があまり落ちません。

あるメーカーの販売店向け説明資料では、2部屋隣の部屋ではビームフォーミング対応の11axで接続するより、11acのメッシュ対応子機の方が速度がかなり速い実測値が出ていましたので、多くの家庭では、11ax対応機種よりメッシュ対応の方がメリットが大きいと思います。

なお、親機と子機は同じメーカーの対応機種でしか接続できないので注意しましょう。

おすすめのEiFiルーター

最後に仕様を考慮した上で、おすすめのWiFiルーターを紹介しておきます。

ワンルームもしくは1LDK向け

国内メーカー エレコムのスタンダードモデルです。
2LDK以上では厳しいと思いますが、それ以下なら十分なスペックだと思います。

2LDK〜4LDK向け

エレコムのメッシュ対応ルーターと子機一台のセットです。

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一戸建て向け

トップシェアの国内メーカー バッファローのメッシュ対応ルーターと子機2台のセットです。