現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

iPhoneが安く買えるのはこの春までか?

スマートフォンが安いのは3月

スマートフォン市場が一番盛り上がるのは、毎年秋恒例のiPhone発売直後ではありますが、本当の商戦は新生活関連で市場の動く3月、4月です。

とくに3月は携帯キャリア各社の決算月でもあり、各キャリアの力の入れ具合は、iPhone発売以上だと思います。

キャリアからの販売奨励金を原資に、キャリアショップも家電量販店などの携帯販売店も、他の月に増して、商品券やポイントを付けたり、一括0円などの販売施策を投下してきます。

販売奨励金に関連する施策は、過去に何度か大きく変更されましたが、その度にかたちを変えて、毎年、この時期には大きな販促が実施されてきました。

スマートフォン市場に異変

そんなスマートフォン市場が大きく変わるかもしれない事件が、昨年11月にありました。
それは総務省有識者会議による緊急提言です。

内容は、携帯端末と回線販売の完全分離となっており、これまで携帯を割賦で購入する際に、月々の通信料金を割り引くことで携帯端末を実質的に値引きしたり、回線契約を条件として、携帯端末を割り引くことを制限する内容になっています。

iPhoneに一番影響がでる

もし提言内容通りの料金プランが完全に実施されれば、iPhoneに一番大きな影響が出るのではないかと予想されています。

iPhoneはこれまで日本では圧倒的なシェアを誇ってきました。
もちろん端末自体の魅力もありますが、間違いなく、料金プランが非常に大きな影響を与えてきました。

携帯キャリアは、アップルとの台数契約もあり、iPhoneを優遇するために、意図的に他の端末より高い割引を設定してきました。
海外でiPhoneのシェアがさほどでもないのは、SIMフリーが一般的なため、日本ほど携帯キャリアが優遇していないためです。

秋に発売されたばかりのiPhoneXRは現在、MNPなら一括で2〜3万円程度、ショップによっては一括0円で購入できますが、本来、10万円前後の端末で、原価を考えても8万円はします。
回線の契約を考えなければ、そのような値段で販売できるはずもありません。

iPhoneは現在のキャリアの料金体系だから、高い単価が目立ちませんが、他のスマートフォンでは半額の5万円も出せばハイスペックな機種がいくらでもあります。

他のスマートフォンと同じ条件になれば、これまでのように一人勝ちの状況にはなりませんし、これまでのような価格で販売されることはなくなる可能性が高いと思われます。
iPhoneが高価な端末となるのは時間の問題かもしれません。

料金プランが変わるのはいつか?

さてここからは、まだ不透明なところが多いため、確実なことは言えませんが、噂ベースで流れている事柄です。

キャリアの新しい料金プランの開始は6月になるという噂ですが、はっきりとは分かりません。
しかしこの3月には最後の駆け込み需要が発生するのではないかと囁かれ始めています。

一番大きな影響を受けるのは、ドコモ、auソフトバンクの3キャリアですが、そのサブブランドであるYモバイルとUQモバイルにも影響が出そうです。

回線はそれほど安くならない

そして、本来であれば、端末が高くなった分、回線が安くなるべきではありますが、端末の値上がりに見合ったものにはならないと思われます。

総務省の提言は、回線料金を安くすることが目的ですが、キャリアには、回線料金を安くできない事情が多々あります。
キャリアはキャリアショップ維持の為にお金を使わなければいけませんし、設備投資した資金を回収しなければいけません。
そもそもこれまで安くスマートフォンを販売した分に関しての利益回収ができていませんので、そのまま回線料金をさげると大幅減益になるからです。

まだ不透明な状況のため、確実なことは言えませんが、2年に一回、スマートフォンを当たり前のように買い換えるのは難しくなってくるかもしれません。