現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

携帯料金が下がらない理由

結局下がりそうにない携帯料金

先日、ドコモから分離プランが発表され、その料金について、割高であることの認識が拡がっています。

失望しかないドコモの新料金プラン - 現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

実際、ドコモのキャリアショップでは、現在の料金プランからの変更を検討に来店されるお客さんに対して、基本的には値上がりするので、変更しないようアドバイスしているとの声が聞こえてきています。

さて携帯料金が値下がりしない理由の一因として、キャリアショップなどの販売店の存在がありますので、その収益構造について、少し説明したいと思います。
(情報が古いものもあるとは思いますが、概略として認識ください。)

携帯販売店の種類

キャリアとの契約の違い

まず、携帯キャリアとの契約の違いです。

販売している会社によって、一次代理店、二次代理店、三次代理店があります。
基本的に携帯キャリア自体は店舗を持っていませんので、携帯は代理店から買っていることになります。

一次代理店はキャリアとの直接契約、二次代理店は一次代理店からの卸契約、三次代理店は二次代理店からの卸契約です。
三次代理店はかなり淘汰されましたので、現在では少ないのではないかと思います。

ソフトバンクは全国一律ですが、ドコモとauは地域によって違いますので、会社によっては地域で一次と二次の違いがあるところもあります。

さて、一次代理店はキャリアとの契約内容のまま収入が入ってきますが、当然ながら二次代理店は、一次代理店の裁量で契約内容が違います。
当然、一次代理店の方が好条件にはなります。

店形態の違い

さて代理店契約の違いと別に店形態の違いがあります。

まず、ドコモショップauショップソフトバンクショップなどのキャリアショップです。
詳しくは知りませんが、キャリアショップ自体でもランク分けされているはずです。

次にあまり知られていませんが、ドコモサービスカウンター、auスクエア、ソフトバンクステージというものがあります。
家電量販店内などにある場合が大半ですが、一部、キャリアショップのように路面で営業している店がありキャリアショップと見分けがつかない場合があると思います。

そしてこれら以外の販売店です。
一般的な家電量販店の売場やGMSの売場、キャリアショップでない携帯ショップなどです。
上に書いたドコモサービスカウンターなどとは見分けがつきづらいと思います。

そして、これらの分類によって、店頭で行える手続きなどが違います。
またこの分類によって同じ手続きでも販売店の収入も違います。

基本的に上位の分類ほど多くなりますが、その収入は一次代理店に入りますので、二次代理店から下は同じキャリアショップでも満額もらえるとはかぎりません。

キャリアからの収入

さて携帯の代理店の収入について具体的に説明していきます。
基本的にスマートフォンの端末販売自体で得られる収入は大きくありません。
大半はそれ以外の収入であり、携帯料金がなぜ値下げできないのか分かると思います。

各手続きによる手数料

携帯販売店では、端末販売以外にもいろいろな手続きを受け付けており、それらの手続き毎に設定された手数料が販売店に入ります。
たとえばキャリアショップでは下記のようなものに手数料が設定されているはずです。

  • 回線契約
  • 機種変更
  • 解約
  • 修理受付
  • 料金プランの変更
  • 料金プランの相談
  • 使用方法のアドバイス
  • アフィリエイト契約

そしてこれらについては、店形態で受付できるものとできないものがあり、受付できるものであっても形態やランクによって、手数料が違っているようです。

人件費の補填

これはキャリアショップなどの収入の柱の1つだと思います。
集計期間はよく分かりませんが、一定の期間内での回線契約の数によって、販売店に人件費見合いの補填(キャリアが設定する人数×決められた人件費額)がはいります。

売店の実際の人数や実額ではありませんので、販売店側はそれより少ない人数や人件費でやり繰りすれば、その分が利益になります。

新規契約者の通信料の一部

これこそが代理店の一番大きな収益源です。
新規契約やMNPを優遇する理由もここにこそあります。

回線を新規契約した店には、契約者の毎月の通信料の一定割合が解約されるまでキャリアショップに入り続けます。
(キャリアショップの場合です。キャリアショップでない販売店は期間の限定があるはずです。)
逆に機種変更した店は全く関係ありません。

つまり新規契約をとり続ければ、販売店は勝手に収入がどんどん増えていきます。
ただし一次代理店に入るので、二次代理店から下にはあまり関係ない話かもしれません。
しかしだからこそ一次代理店はおろし先の二次代理店などにも新規契約を取るよういろいろな割引などをつけて促進をはかっています。

足かせになる代理店契約

さて代理店への収入として通信料の一定割合があることを説明しましたが、一定割合ということは、携帯料金が下がれば、代理店に入る収入も下がるということです。
おそらく多くの代理店は収入の半分以上がこれによる収入です。

キャリアショップは代理店が運営していますから、もし何割も携帯料金が下がれば、運営できなくなるキャリアショップが出てくると思います。

そしてとくに一次代理店大手の何社かは、日本を代表するような商社の子会社であり、その収益悪化は商社の決算にも影響するということになります。

携帯料金が下がらないのは、キャリアだけの判断ではできないことが背景にあると思います。