ひそかに好調なオール電化と市場が消失した太陽光発電
ひそかに活況を呈している商品
あまり世間で話題になりませんが、最近、ひそかに活況を呈している商品があります。
それがオール電化商品、つまり電気温水器とIHクッキングヒーターです。
オール電化が好調な理由
オール電化商品が好調な背景にはいくつかの理由があります。
まずオール電化商品の初期の普及時期から、10年以上経ち、買い替えが必要な家庭が増加していることがあります。
次に高齢の方の中で、火を使わないという安全面から、オール電化に切り替えをしようとされる方が増加しているというところも大きな点です。
さらにオール電化商品が、機能や省エネ性能の向上で使い勝手が向上していることがあげられます。
進化したオール電化商品
電気温水器
今、販売されている電気温水器のほとんどはエコキュートとよばれるエネルギー効率の高い温水器になっています。
10年ほど前はまだ通常の温水器も多く販売されていましたので、通常の温水器から買い替えした場合、毎月の電気代が劇的に下がります。
以前にエアコンは暖房にこそ使うべきだとこのブログで書きましたが、エコキュートもエアコンと同じヒートポンプという技術で、大気の熱を利用するため、電気の使用量が少ないのです。
あわせてお湯はりなどの機能も大きく向上しているため買い替えが増加しています。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターについては、省エネ性能というわけにはいきませんが、この10年ほどで機能は劇的に進化しました。
とくに多くの商品で、あたかも電子レンジのような自動調理機能を搭載しており、メニューを選ぶだけで、勝手に火加減を調節してくれます。
また吹きこぼれ防止や手入れのしやすさなどガスコンロにはないメンテナンス性のよさが受けている状況です。
オール電化商品が売れるようになったもう一つの理由
さて、ここにきて急にオール電化商品が売れるようになってきたことには、実はもう一つ大きな理由があります。
それは太陽光発電システムの市場が消失したこととも関係があります。
なぜ太陽光発電システムの市場は消失したのか
一昨年あたりから、新築向けを除いて、太陽光発電システムの販売からは、家電量販店も含めてほとんどの企業が撤退しています。
理由は、需要がなくなったからです。
もともと余剰電力を売電して、太陽光発電システムの費用回収で儲けるというモデルでしたが、ご存知の通り、毎年の売電単価の低下で、一昨年あたりからは、ほとんど儲けは出なくなりました。
儲けが出ないのであれば、わざわざ高額な太陽光発電システムを、リスクを背負ってまで設置しようと言う人はほとんどいません。
あれほどあった太陽光発電の販売会社はすっかり消えてしまいました。
ターニングポイントだった原発稼働
そもそもなぜ太陽光発電の普及が止まったかというと、原発の稼働により、電力不足の懸念がなくなり、普及させる必要がなくなったからです。
ご存知の方も多いと思いますが、オール電化というのは、原発を前提とした商品です。
原発は出力を変動させることができないため、需要の少ない夜間でも、発電し続ける必要があります。
東日本大震災以前、各電力会社がオール電化普及を一所懸命に推進していたのは、その余った夜間電力を消費させるためです。
そしてここにきて、(世間への体面があるため表だってではありませんが)電力会社がメーカーや販売店などへの側面支援を復活させてきているということが、現在の販売状況に繋がっています。
オール電化商品を購入するなら家電量販店で
原発には賛否あると思いますが、オール電化商品には便利な点や省エネや安全性などの優れた点が多くあります。
購入するだけのメリットは十分にあると思います。
10年ほど前は、オール電化商品は、電力会社の子会社や電気設備会社などから買うのが一般的だったと思います。
しかし現在、オール電化商品は、家の新築時以外では、大半を家電量販店が販売しています。
コストや工事の熟練度いずれも家電量販店の方にアドバンテージがある状況ですので、購入する際は家電量販店で購入しましょう。
ただし、家の新築時については、住宅会社の方が安い場合があります。
(そのかわり、機能的には家電量販店で販売しているものより劣りますので、よく比較してみることをおすすめします。)