現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

増税前に購入したい家電

復調した家電販売

長い盆休みが終わりましたが、7月の不振から一転し、8月は猛暑の影響もあり、家電市場は大幅に伸長しています。

エアコン、冷蔵庫はもちろんですが、テレビ、洗濯機、パソコンといった主要な家電が軒並み大幅に前年から伸びており、復調したといってよさそうです。

ただもともと家電市場は4月〜9月で前年比10%増が想定されていたため、7月の不振の影響により、お盆開けまででようやく前年を超えた程度の現状は、業界関係者からすると、もの足らない状況だと思います。

駆け込み需要はいつ本格化するか?

さてこうした状況の中で、家電量販店各社は、9月末までに、どこまで売上を積み上げできるかと仕切り直しのつもりで取り組むと思います。

とくに9月については、聞こえてきているところでは、各社前年比30〜40%増程度を見込んでいるようです。

増税前の駆け込みがいつ本格化するかの予測は難しいですが、各社は9月に入ってからは、全力で需要を獲得しようとすると思います。
もともと増税直前の家電購入については、否定的に考えていましたが、7月の不振で状況は一変しましたので、価格競争もかなり期待できます。

増税前に買いたい家電とタイミング

さて9月末までに購入しておきたい家電と購入タイミングについて、説明していきます。

テレビ

テレビは増税前までの購入を最もおすすめしたい家電です。
少し前に書いたようにとくに50インチ前後の4Kテレビに割安感が出ていますし、家電量販店各社が駆け込み商戦の主役として取り組むことが間違いないためです。

(追記)ちょうど業界紙から50インチのテレビが売れているという記事がありましたので紹介します。
液晶テレビ、一番人気は50インチ前後、49型+50型でシェア2割占める - BCN+R

ただし9月下旬になると人気モデルの品薄が予想され、また配達に時間がかかることにもなると思いますので、中旬までに購入しましょう。

冷蔵庫

冷蔵庫については、少し状況次第な部分もあります。
商戦のテレビに次ぐ主役になることは間違いありませんが、メーカー各社は新製品発売を控えており、在庫の処分を急ぎすぎると、増税後の価格上昇が大きくなってしまいます。

増税後の冷え込みを大きくしすぎないために、在庫を持ち越そうとメーカーが販売を抑制する政策を取る可能性がありますので、急いで購入する必要がなければ9月中旬ごろの状況を見て判断してもいいと思います。

ドラム式洗濯機

こちらは前年モデルが残っていればという条件付きです。
前年モデルでなければ、増税前に購入するメリットはありません。
9月上旬にはほぼなくなると思いますので、もし希望に一致する商品が見つかれば早めに購入しましょう。
また縦型洗濯機については、今は買いどきではありません。

そのほかの狙い目

9月中旬から末にかけて狙っていきたい商品がいくつかあります。
それは、電子レンジ、炊飯ジャー、掃除機です。

これらの商品に共通するのは、比較的単価が高く、あまり接客する必要もなく、かつ持ち帰りの商品であることです。

つまり店員が時間を取られることなく売上を積み上げできるため、家電量販店が忙しくなったときに売上を積み上げるには最適な商品であり、価格を安くして販売を増やそうとすることは間違いありません。

とくに電子レンジ、炊飯ジャーについては、商品の入れ替え処分時期でもあるため、とくに好条件で購入できる可能性が高いと言えます。

見送りがおすすめの商品

さて増税前の購入は見送った方がいい商品もあります。

エアコン

今年のエアコン販売はトータルでは不振だったとは言え、前年モデルはほぼなく、今年モデルの処分時期までは半年近くあります。

またこの時期、各社のエアコン工事体制はすでに縮小されており、工事のキャパシティにより、安くしても販売がのびることはありません。
価格条件が出てくる期待は薄いため、急ぎでなければ、来年2月、3月まで待ちましょう。

パソコン

パソコンは今、この数年なかったほどの好況になっています。
理由は来年のWindows7のサポート終了に伴う買い替えです。
CPU不足などの要因も重なって、パソコンの価格は高止まりしています。

しかし企業需要の落ち着く来年以降は需要減少が見込まれ、またスマホ需要の伸びが止まった現状からすると、来年以降は値下がりが予想されます。

急ぎでなければ今購入する理由はありません。

増税後は値上がり濃厚

いずれも個人的な予想ですので、予想が外れる可能性はありますが、いずれにしても基本的には、増税後は値上がりが濃厚だと思います。

リーマンショックとエコポイント時の反省から、家電メーカーは、需要減少した際に値下げして販売を増やそうとする可能性はほぼありません。

需要が減って販売台数が減る分、各メーカーも量販店も単価を上げて、利益を維持する方向で考えていると思いますので、増税前に安くなっていれば、素直に購入するのが正解です。