予想外の買いどきが来るかも
7月に急変した家電販売
7月に入り、これまで好調だった家電販売が低迷しています。
一番の要因は気温です。
日照不足が報道されているように、今年は気温が上がらす、この時期、家電量販店では一番大きな構成を占めるエアコンが、前年比7割減という通常ないような状況になっています。
またあまり知られていませんが、冷蔵庫も気温の影響を大きく受ける商品であり、こちらは3割減です。
一方で好調を維持しているのが、テレビとパソコンですが、この時期のエアコンと冷蔵庫の構成からすると、焼け石に水の状態で、業界で前年比2割減の状況になっています。
懸念される業績悪化
このままの状態が長引けば家電量販店の業績は大きく悪化します。
7月から8月前半までの夏商戦は、12月の冬商戦とならんで一番売上ボリュームの大きいタイミングであり、またエアコンと冷蔵庫は家電量販店にとって、もっとも利益の高い商品ですので、他の商品の不振よりもはるかに業績への影響が大きくなります。
つまり業績悪化を食い止めるために、何らかの方法で、このマイナス影響を取り戻す必要があるということです。
そのために考えることとしては、売れていないエアコンや冷蔵庫を値下げしてでも販売するか、それ以外の商品がもっと売れるようにするか、その両方を狙うかです。
今のレベルでの売上不振は近年なかったことですので、久々に家電量販店の値下げ競争が勃発する環境が整いつつあります。
最終的にはメーカー次第
値下げ競争の環境が整いつつあるとは言っても、家電量販店単独では、値下げ余力には限界があります。
最終的には、メーカーが在庫処分をしようとするかがポイントになってくると思います。
とくに鍵となってくるのが、8月上旬の販売動向です。
ここを過ぎると、いくら増税前の駆け込み需要があるとはいえ、メーカーもエアコンや冷蔵庫の生産調整をかけざるをえなくなってきますし、メーカーというのは在庫が資金繰りに大きく影響しますので、在庫を長期間滞留させられないからです。
ここが厳しいようであれば、8月下旬から9月にかけて、メーカーも巻き込んで値下げ競争が繰り広げられる可能性が高くなるのではないでしょうか。
本来であれば消費税増税直前というのは、買いどきとは言えないタイミングですが、予想外の買いどきが発生する可能性が高くなってきています。