今はテレビとドラム式洗濯機が狙い目
苦戦した7月
前回、7月に入り家電の売上が苦戦していることを書きました。
下旬に梅雨明けして以降は急速にエアコンと冷蔵庫の売上が回復しましたが、中旬までの苦戦の分を取り戻すには到底足らず、業界の前年比は85%前後となりました。
とくにエアコンについては、一時期の前年比30%から40%というところからは盛り返しましたが、前年比60%となりました。
好調なテレビと洗濯機
さてこうした苦戦した商品が多かった中で好調を維持したのがテレビと洗濯機です。
テレビは前年比120%、洗濯機は前年比110%の実績となりました。
これには、家電量販店各社がエアコンと冷蔵庫が不振となる中で、何とか売上構成の高いテレビと洗濯機で売上を取り戻そうとしたところが大きく影響していると思います。
7月下旬以降、エアコンと冷蔵庫の売上が回復しましたが、とくに工事のキャパシティの影響が大きいエアコンについて、すでに工事が一杯となっている店舗が多く、早くもピークアウトしそうな気配です。
エアコンの工事はお盆前までが勝負のため、お盆が間近に迫った今の時期からは大きな売上は期待できない状況になっています。
こうした背景があるため、家電量販店は引き続きテレビと洗濯機に期待をかけることになります。
ただし洗濯機については、ドラム式洗濯機の前年モデルがなくなる今月までです。
テレビの状況と狙い目
テレビの動向と狙い目について、少し説明します。
テレビは春に多くのメーカーから新製品が発売され、本来であれば、価格上昇してもおかしくない状況ですが、上昇せずにむしろ下落してきています。
下落を引っ張っているのは、東芝、ハイセンス、シャープです。
東芝は中国のハイセンスの子会社(というか名義貸し)ですし、シャープもほぼ台湾メーカーとなりましたので、実質的に海外勢と言えるメーカーが引っ張っている状況です。
おそらく中国市場などの不振の影響もあるのではないかと思います。
これらに引きずられて、パナソニック、ソニーも価格を下げざるを得ない状況なのでしょう。
さてこうした中で、とくに有機ELテレビは急速に値下がりして、買いやすい価格になってきました。
しかし特に狙い目は、有機ELテレビの価格下落により、相対的に価格を下げざるを得なくなった50インチ前後の4K液晶テレビです。
一年前には考えられなかった価格で買えるようになっています。
テレビの価格は40インチ以下については安定してきていますが、50インチ前後についてもそろそろ下げ止まりだと思いますので、今、購入して損になることはないのではないかと思います。
ドラム式洗濯機の注意点
洗濯機は、ドラム式洗濯機と縦型洗濯機で新製品の入れ替え時期が異なります。
縦型洗濯機は、すでに今年の入れ替え時期が終わっており、今は一番価格が高い時期となります。
したがって縦型洗濯機は今は買ってはいけません。
逆にドラム式洗濯機は、今が一番安い時期となりますので購入するなら今がおすすめです。
ただしドラム式洗濯機については、注意しなければいけないことがあります。
まずドラム式洗濯機を購入するのであれば、上位モデルを購入しましょう。
メーカーのカタログを見れば、上位モデルか下位モデルかは分かりますし、店員に聞いてもいいと思います。
下位モデルを購入するくらいなら、縦型洗濯機を購入しましょう。
ドラム式洗濯機の下位モデルにはデメリットしかありません。
またメーカーは、日立かパナソニックのどちらかにしましょう。
ドラム式洗濯機は技術力が重要です。
ドラム式洗濯機というのは、そもそも構造的には、縦型に比べ洗浄力が弱く、衣類も傷みやすいものです。
上位モデルは、それを色々な機能で克服してありますが、下位モデルは十分でなく、ドラム式の一番のメリットの水道代、電気代すら大きなメリットが出ない機種が多くなっています。
さてドラム式洗濯機を購入する場合、もう一つ注意しないといけないところがあります。
それはサイズです。
ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機よりもサイズが大きいのです。
必ず家の設置場所の横幅、奥行、そして忘れずに水道の蛇口の高さを測ってから購入しましょう。
9月末までは家電市場に注目を
さて前回、予想外の買いどきがくる可能性について書きましたが、8月に入り好調に推移しているため、今のところ、どちらとも言えない状況になりました。
ただまだ可能性がなくなったわけではないため、9月末までは家電市場に注目しておいて損はないと思います。