2019年度の家電市場
2019年度の家電市場は前年微増
2019年度(4月から2020年3月)の家電市場が、前年比101.5%と発表されました。
クロスの発行する業界紙「家電BIZ」が発表したものです。
家電市場の予測は、毎年、各メーカーも行っていますが、現在、総合家電メーカーと言えるのは、パナソニックだけになったため、公平性や網羅性などからすると、家電市場全体の予測としては他に代わるものがありません。
家電の業界紙
家電業界のメディアとして、他の媒体に失礼かもしれませんが、家電BIZは唯一まともな報道媒体だと思います。
家電業界には、業界紙として、電化新聞、電波新聞、日刊電気通信、全ラ連新聞などがありますが、業界関係者のコメントなどをそのまま掲載するだけで、どれも報道とは言いがたい内容になっています。
またWEB系のメディアもいくつかありますが、いずれも直接の取材をほとんどしていないので、報道とは言えません。
ちなみに以前にIT&家電ビジネスを発行していたリックという会社がありましたが、そのリックが潰れて、関係者が新たにクロスという会社を立ち上げて家電BIZを発行しています。
なお、このクロスの社長は、ヤマダ電機の取締役でもあるため、そういった点での中立性には若干注意が必要です。
2019年度の動向
発表された家電BIZの需要予測ですが、テレビや冷蔵庫、パソコンといった高額商品が伸びることが予測されています。
現状の実績でもこれらの商品が伸びていますので、これらについては、業界では異論がないと思います。
さて家電BIZには掲載がありませんが、2019年度は消費税増税が予定されているため、メーカーでは、上期と下期について、それぞれ上期は10〜15%増、下期は10〜15%減程度で予測しています。
家電業界では、通常、上期、下期の市場はほぼ同規模ですが、2019年度については、上期偏重になりそうです。
大型商品はお早めに
さて、上期偏重になった場合に懸念されることがあります。
実は家電で配達工事の多いエアコン、冷蔵庫、洗濯機がいずれも上期に売れる商品だからです。
(逆に下期は、テレビ、パソコン、スマートフォンなどがよく売れます。)
もともと配達工事が逼迫する上期に、消費税増税でさらに配達工事が増えることになります。
持ち帰り商品と異なり、配達工事商品は、配送のキャパシティに限りがあります。
消費税増税直前に配達工事商品を買おうとした場合に配達ができないという状況がかなり発生すると思われます。
エアコン、冷蔵庫などは夏場に故障することが多いため、いざとなって慌てることのないよう、調子が悪ければ早めに買い替えておきましょう。
ちなみにネットショッピングで購入しても、家電の配送業者は限られています。
家電量販店の仕事も請け負っている会社がほとんどですので、同様の状況になることが予想されます。