現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

なくなるのが必然の蛍光灯

ほぼLEDになった天井照明

近年は、家庭用のシーリングライト(言葉になじみのない方もいるかもしれませんが、天井用の照明器具のことです)の販売は、LED器具がほとんどになり、蛍光灯の照明器具を購入することは、難しくなりました。

LEDの方が、蛍光灯などと比べて消費電力が低いからというのが消費者向けの理由ですが、それ以外にも理由があります。
それはある理由でメーカーが蛍光灯の照明器具を生産しなくなったからです。

その理由とは、日本政府の方針として、メーカーに対して指導を行っていることです。

政府のエネルギー基本計画

さて、この日本政府の方針は、エネルギー基本計画として、公表されています。

エネルギー基本計画について|エネルギー政策(全般)|資源エネルギー庁

現在は、第5次となっていますが、照明に関しては、この数年ほとんど変更されていません。

その中で2020年までにフローでLED、有機ELによる照明を100%にするという内容が記載されています。
フローでというのは、器具の製造ベースでということです。
残り1年を切り、現在、国内で器具自体を製造しているメーカーはないと思います。

蛍光灯と電球はどうなるのか

さて実はエネルギー基本計画にもう一つの記載として、2030年までにストックで100%という記載があります。

ストックという単語について、解説がないので、予測しかできませんが、家庭や事務所に取り付けられている器具自体だと思われます。

つまりあと10年で家庭の照明はLEDに置き換わるということになると思います。

さて、置き換わるといっても、勝手に置き換わるわけもありません。
あくまでも個人的な予想ですが、今後、数年内に、蛍光灯や白熱電球は入手できなくなってくるのではないかと思います。

電球が切れても、購入できなければ、器具自体を変えざるをえません。
電球と電球型蛍光灯については、すでにほとんどの大手メーカーは、製造しておらず、今後は丸型蛍光灯や直管型蛍光灯についても製造しなくなる可能性が高いと思われます。

蛍光灯がなくなるもう一つの理由

さて蛍光灯についていうと、省エネ以外に実は大きな問題があります。

それは蛍光灯には水銀が使用されていることです。
ご存知の通り、水銀は有害な物質です。
世界的な環境規制強化で、日本でも1年半ほど前に法規制が大幅に強化されました。

今は家電量販店に使用済みの蛍光灯を持って行っても引き取らない店が多いと思います。
そういった店は引き取っても廃棄できないことが理由です。

もちろん廃棄することは可能ですが、水銀取り扱い許可を受けた業者に依頼する必要があり、どこにでもいるわけではないからです。

無責任なことに、引き取らず電器店に持ち込むようゴミ分別マニュアルに記載している自治体がありますが、電器店側にも引き取れない事情があります。

こういった捨てることすら難しくなってきている蛍光灯については、近い将来、店頭から消えていくことになると思います。