消費税増税後の家電業界
予想以上の駆け込み需要
先週の家電業界は前年比6割増となりました。
これで3週連続で前年比で5割以上の増加となっています。
今月の前年比が5割以上の増加となるのはほぼ確実な状況です。
先月後半に駆け込み需要が顕在化してきてから、家電量販店各社は今月の前年比が3割から4割増と見込んでいたように聞こえていますが、それを上回る状況になっています。
9月が半期決算になっている多くの家電量販店で、この上期は好決算になるのではないかと思われます。
トータルで見れば事前予想通り
さて、こうした想定以上の駆け込みが起きている中で、配送こそ10月にずれ込んでいる店が多くなっていますが、在庫はそこまで逼迫しているわけではありません。
これまで何度か書いていますが、メーカーは、今年の上期(4月〜9月)が10%増、下期(10月〜3月)が10%減と予測しており、このままいけば、上期はほぼ予測通りの結果となりそうな状況のため、ほぼ計画通りに生産するだけでよかったためです。
7月の冷夏で肝を冷やした業界関係者も多かったと思いますが、結果としては、想定どおりとなりました。
気になる増税後
そうすると気になるのが増税後ですが、これからの半年は業界として10%減を覚悟しなければいけないということです。
ときどき需要が減れば家電は値下がりするという論調がありますが、基本的には考えずらいと思います。
メーカーも、家電量販店も売れないとなれば考えるのは、経費の削減と利益率の改善です。
つまり販促費用を削って、価格を上げるということです。
エコポイントと地デジバブルの崩壊で潰れかけた苦い思い出のあるメーカーや量販店は二度と同じこと(価格競争)はしないと思います。
そうは言っても冷え込んだ中でも需要の波があります。
波が高いところでは、各社はやはり売上の獲得を狙ってくることになります。
これからの半年でいくと、12月のボーナス商戦、1月上旬の初売り商戦、3月の決算と一人暮らし商戦が肝になってくるでしょう。
逆にそれ以外の時期は、何か大きなトピックがない限り、期待出来ないと思いますので、出来る限り避けるのが無難です。
その後のQRコード決済
さて7PAYの騒動後、すっかり鳴りを潜めた感のあるQRコード決済(最近はバーコード決済と呼ばれることの方が多くなりましたが)ですが、規模は小さくなっているものの各種のキャンペーンが実施されています。
夏まではPAYPAYとLINEPAYのキャンペーンが目立っていましたが、今はd払いと楽天PAYが目立ってきており、主役を伺う勢いです。
10月から、中小企業の店舗でキャッシュレス還元が始まりますが、基本的に家電量販店はほとんどが対象外になると思います。
こうした中で楽天PAYは、対象店舗かどうかに関わらず5%を還元するという予想外のキャンペーンをスタートします。
家電量販店で10月以降に買い物をする場合には有難いキャンペーンです。(ヤマダ電機とヨドバシカメラは取り扱っていません。)
またd払いも10/14までにはなりますが、20%還元のキャンペーンを実施中です。
こうしたキャンペーンはQRコード決済の勝敗が決するまで何らか続いていくと思われますので、お得なキャンペーンを見逃さないようにしていきましょう。