現役家電店員が教える失敗しない家電の買い方

後で後悔しない家電の買い方を説明します。ネットで購入する場合にも役立つはずです。

掃除機の選び方

イノベーションの起こった掃除機

近年の掃除機のイノベーションは、非常に素晴らしいものがあります。
デジタル機器のイノベーションに隠れて、さほど目立ちませんが、コードレスのスティック型掃除機が大きなイノベーションを起こしていると思います。

技術革新が進んでいる中で、何を基準に掃除機を選ぶのが良いかを解説します。

主役はダイソン

現在の掃除機のイノベーションの立役者は、多くの人がご存じとは思いますが、あのダイソンです。

イギリスで、ジェームズ・ダイソン氏が起業してから、25年ほどしか経っていませんが、ダイソンは、サイクロン式掃除機の大ヒットから、現在のコードレススティックの大ヒットにつなげ、あっという間に世界最大の掃除機メーカーとなりました。

掃除機の基準が変わった

ダイソンの掃除機が登場するまで、掃除機を選ぶ基準は、吸い込み仕事率というものでした。

単純に吸い込む力がどれだけ強いかということです。
それに加えて、床のゴミを掻き取るヘッドの構造の違いがあり、その2つだけで掃除機はほぼ決まっていました。

ダイソンが最初に出したサイクロン式は、そうした基準から離れ、吸い込み仕事率を公表せず、吸引力が落ちないことと排気がきれいなことでヒットしました。

そしてサイクロンを今のコードレススティックにつなげて、掃除機のイノベーションを牽引しています。

ダイソンのコードレススティック

コードレススティック自体は、かなり昔からありました。
しかし以前のコードレススティックは、吸引力が弱く実用性に劣っていたため、普及しませんでした。

ダイソンのコードレススティックは、サイクロン式で培った技術で、コード付きに劣らない吸引力を実現したため、大ヒットしたのです。

すでに使用している方には理解いただけると思いますが、掃除機をコードレススティックに変更すると、本当に生活が変わります。

掃除機は部屋の片隅に置いて、隙間時間に掃除をするということが当たり前になり、掃除の時間というものが必要なくなってきます。

コードレススティックを使う生活になると、買い替えの際、コード付きの掃除機を選ぶ方はまずおられません。
これから買い替えの方で、まだコードレススティックを使用していない方は、ぜひコードレススティックをおすすめします。

選択肢は大きく広がった

さてダイソンが牽引してきたコードレススティック式掃除機ですが、この1年ほどでようやく他の家電メーカーから、ダイソンに対抗しうる商品が発売されるようになってきました。

まだ完全にダイソンを上回っていると言えるまでの商品はありませんが、部分的には上回っている商品が出てきています。

少し前まではダイソンの中で機種を選ぶという状況だったのが、複数のメーカーで選べるようになり選択肢は大きく広がってきました。

なおコードレススティックは未だ進化途上のため、基本的には最新モデルをおすすめします。

選定の基準

コードレススティックで見るべきポイントは下記のような点です。

  • 吸引力
  • 連続使用時間
  • 重さ
  • 付属品
吸引力

吸引力については、カタログ表記がありません。
店頭で実際に試してみるか、評判を見るしかありませんが、相変わらずトップはダイソンだと思います。
昨年発売されたV10はこれまでから機構が大きく変わり、吸引力がさらに向上しました。

しかし他メーカーでもいくつかの製品がかなり迫っているように思います。
下記のパナソニックの商品など対抗馬です。

連続使用時間と重さ

こまめに掃除をすれば、さほど気にならないかもしれませんが、部屋の数が多かったり、じっくり掃除をする方には充電切れの心配もあります。
カタログなどには、パワーの弱いモードでの使用時間が大きく出ていますが、基本的には、コードレススティックの連続使用時間は、通常20分前後です。

そうした方にはバッテリーが着脱式になっている商品があります。
予備のバッテリーを購入すれば、連続使用時間が倍になります。

また重さも重要なチェックポイントです。
コードレススティックは、意外と見た目より重たい商品が多く、長時間使用しなくても、高い箇所の掃除はつらい場合があります。

連続使用時間と重さでおすすめなのが下記の機種です。
ただし、吸引力が若干、ダイソンなどより劣ります。

付属品

コードレススティックになってから、とくに布団クリーナーとしての使い勝手が多くの商品で大きく改善しています。
せっかく購入するからには布団用ヘッドの付属した商品を購入しましょう。

そして付属品による商品レパートリーについては、ダイソンの右に出るメーカーはありません。
豊富な付属品が欲しいなら、迷わずダイソンにしましょう。
ダイソンの型番でSV12などの数字より後は、付属品とヘッドだけの違いです。
付属品の違いをよく確認して選びましょう。

個人的なおすすめ

とはいえ、実は最終的にすすめたいのはダイソンではありません。

三菱のこの機種です。
吸引力や連続使用時間もダイソンに引けを取りませんし、重さはダイソンよりはるかに軽いです。

そして、ダイソンより細かな使い勝手が優れているのが魅力です。
ダイソンは外資系メーカーのため、細かな使い勝手では、やはり国内メーカーの方がすぐれています。
付属品が少なめですが、個人的にはバランスのよさは一番だと思います。

近くの家電量販店などで実機が試せるようであれば、ぜひ触ってみて下さい。